古代メソポタミアを発祥とするパンは、世界各国に普及し、各国の食文化を背景にその国ごとのナショナルブレッドが生まれました。たとえば、気候や土壌の関係で小麦よりもライ麦の収穫が盛んなドイツ北部では、ライ麦パンが発展。イタリアでも地方ごとにランドブレッドと呼ばれる独自のパンがあるそうです。
日本では、食パン、そして、あんパンやメロンパン等の菓子パンがナショナルブレッドと言われています。(日本では普通サイズの食パンや、あんパン・カレーパンのように具材を生地で包んだパンは欧米にはないんです!)
こうしたパンの歴史的背景を知るうちに、ドイツパン、フランスパンなどのハード系のパンを模するパンをつくるのではなく、日本で育った日本のパンに敬意を払い、さらに発展させて日本人に広く愛されるパンをつくっていきたいと考えるようになりました。
小麦や素材が本来持っている味や風味を十分に引き出し、日本人独特の好みである「もっちり」食感のパンめざす。それが私たちの結論です。そのために、手間ひまを惜しまず、小麦粉を十分に水和させ、じっくり熟成させて、小麦のうまみとみずみずしさを生かしたパンをつくる努力を続けています。
また、前述のように日本のナショナルブレッドである「菓子パン」も大切にしたいと思っています。菓子パンはいつでもこどもたちに大人気!こどもは日本の未来です。だから、私たちは街のパン屋の延長で、地元のこどもたちが家族で訪れてくれるような店でありたいと。(もちろん菓子パンも安心素材、無添加で!)
日本の食材を使って、ハード系・ソフト系といった垣根を越えた日本のパンを、大好きな川越の街に根ざしてつくっていく。川越ベーカリー楽楽は、そんなお店をめざしています。